今回は都道府県別男女比ランキングについてご紹介します。
このランキングは、総務省統計局が公表している最新の人口推計データ(2021年10月1日現在)に基づいて。男女の人口比率の差が大きい順に並べており、各都道府県の特徴や背景についても触れていきます。
10位:佐賀県
(女性:52.91%、男性:47.09%)
佐賀県は女性の割合が若干高くなっています。農業や伝統工芸が盛んな地域特性が影響しているようです。特に有田焼などの伝統産業では、細やかな作業を得意とする女性の活躍が目立ちます。また、医療・福祉分野での女性の就業率も高く、これらの要因が男女比に影響を与えていると考えられます。
9位:愛媛県
(女性:52.93%、男性:47.07%)
愛媛県も女性の割合が若干高くなっています。柑橘類の生産や造船業など、地域の産業構造が影響しているようです。特に、みかんの選果作業など、農業分野での女性の活躍が目立ちます。また、タオル産業など、繊細な作業を要する製造業でも女性が多く働いています。
8位:和歌山県
(女性:52.94%、男性:47.06%)
和歌山県も女性の割合が若干高くなっています。農業や観光業が主要産業であることが要因の一つと考えられます。特に、梅や柑橘類の生産、加工業では女性の労働力が重要な役割を果たしています。また、高野山や熊野古道などの観光地でのサービス業にも女性が多く従事しています。
7位:青森県
(女性:52.96%、男性:47.04%)
青森県も女性の割合が若干高くなっています。農林水産業が盛んな地域特性や、若年男性の県外流出が影響しているようです。りんごの生産や水産加工業など、地域の主要産業で女性の労働力が重要な役割を果たしています。また、冬季の厳しい気候が女性の平均寿命を延ばしている可能性も指摘されています。
6位:熊本県
(女性:53.02%、男性:46.98%)
熊本県は女性の割合がさらに高くなっています。農業や観光業が主要産業であることが影響しているようです。特に、イチゴやトマトなどの施設園芸や畜産業で女性の活躍が目立ちます。また、阿蘇や天草などの観光地でのサービス業にも多くの女性が従事しています。
5位:宮崎県
(女性:53.02%、男性:46.98%)
宮崎県も熊本県と同様に女性の割合が高くなっています。農業や観光業が盛んな地域特性が影響しているようです。特に、畜産業や野菜・果物の生産、加工業で女性の労働力が重要な役割を果たしています。また、温暖な気候が女性の健康寿命を延ばしている可能性も指摘されています。
4位:秋田県
(女性:53.06%、男性:46.94%)
秋田県は女性の割合がより高くなっています。高齢化や若年層の流出、第一次産業の特性が男女比に影響を与えているようです。特に、稲作や果樹栽培、きりたんぽなどの郷土料理の製造で女性の活躍が目立ちます。また、伝統工芸品の製作にも多くの女性が携わっています。
3位:高知県
(女性:53.06%、男性:46.94%)
高知県も秋田県と同様に女性の割合が高くなっています。山間部が多い地理的特性や、第一次産業の影響が考えられます。特に、ユズやショウガなどの特産品の生産、加工業で女性の労働力が重要な役割を果たしています。また、カツオの一本釣りなど、男性中心の漁業が衰退していることも影響しているかもしれません。
2位:鹿児島県
(女性:53.25%、男性:46.75%)
鹿児島県は女性の割合が非常に高くなっています。離島を多く抱える地理的特性や、第一次産業、観光業の影響が大きいようです。特に、さつまいもや焼酎の生産、加工業で女性の活躍が目立ちます。また、奄美大島など離島での高齢化が進んでいることも、女性の割合を高めている要因の一つかもしれません。
1位:長崎県
(女性:53.27%、男性:46.73%)
長崎県は最も女性の割合が高い都道府県です。造船業や水産業、観光業など、地域の産業構造が大きく影響しているようです。特に、水産加工業や観光業でのサービス業に女性が多く従事しています。また、原爆被爆や離島の多さなど、長崎特有の歴史的・地理的要因も男女比に影響を与えている可能性があります。
このランキングから、日本の都道府県レベルでは女性の割合が高い傾向が強いことがわかります。最も女性の割合が高い長崎県では53.27%(男性46.73%)、最も低い神奈川県でも49.90%(男性50.10%)と、ほとんどの県で女性の割合が50%を超えています。特筆すべきは、男性の割合が女性を上回る県が神奈川県のみであり、その差もわずか0.2%程度であるということです。
日本全体で見ると、2024年2月1日時点での総人口約1億2399万人のうち、女性の割合は51.36%(約6367万人)、男性の割合は48.64%(約6032万人)となっています。これは人口性比(女性100人に対する男性の数)で表すと94.7となり、全国的に女性の方が多いことを示しています。
このデータは、日本の人口構成における微妙な男女比の偏りを示しています。都道府県別の偏りと全国的な傾向を合わせて考えると、地域ごとの産業構造や社会環境が男女比に影響を与えていることがわかります。
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